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生活の不安や悩みはまず相談を。
関係機関と連携して解決を目指す。

大分市社会福祉協議会

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  4. 引きこもり

大分市社会福祉協議会は、大分市の地域福祉向上の寄与を目的に活動しています。地域の中の福祉課題に対し、行政、福祉・医療・保健機関等と連携しながら、ボランティア活動、相談支援事業など幅広い福祉サービス事業を展開するのが生活支援課。今回は相談支援員の加藤初音さん、向井康夫さんにインタビューを行い、社会福祉協議会の役割や、引きこもり問題、普段から大切にしていることなどお聞きしました。

引きこもり、生活困窮、就労支援…
どんな問題でもまずは話してほしい。

―社会福祉協議会はどのような場所なのでしょうか。

加藤:
社会福祉協議会は地域福祉を推進する団体です。事業内容は多岐に渡るため、分かりづらい部分も多いかと思います。引きこもりや、生活困窮、子育て不安といった、地域の皆さんの困りごとに対応し、行政や福祉・医療・保健機関など専門機関に橋渡しする市民の窓口的な役割を担っています。

向井:
私はもともと行政の職員として働いていました。地区の担当ケースワーカーとして5年、査察指導員として5年、約10年間福祉関係に従事してきました。現在はその経験をベースに、市民の皆さんの相談対応や自立支援など、幅広い業務を行っています。しかし、社会福祉協議会だけで解決できない部分もあるので、必要に応じて関係各所と連携を取りながら問題解決を目指しています。

―自身が抱えている問題がここで解決できるのかと不安な人もいるのではないでしょうか。

加藤:
生活における困りごとの対応窓口ですので、まずは気軽に相談に来てほしいですね。事態が深刻になる前にご相談していただければ、すぐに専門機関におつなぎします。また、「この悩みはここに相談に行けばいい」という情報をしっかりと伝えることで、同じような悩みを抱えた人が解決にたどり着くきっかけが生まれたら良いなと思っています。今、引きこもりが社会問題として浮き彫りになってきました。何十年もひきこもり問題に悩み、そのままになっているという相談も聞かれます。すぐに解決できるわけではありませんが、お話を聞いて、まず何をすれば良いのか、今ある制度で活用できるものはないかを一緒に考え、一人ひとりにマッチする制度やサポートをご案内します。成功例が増えていけば、引きこもりに悩む多くの方に道筋を立てることができるのではないでしょうか。

―引きこもり問題は、お子さんではなくまず親御さんがご相談に来るのでしょうか。

向井:
そのケースがほとんどです。早い段階で親御さんが相談に来ていただいた方が良いのですが、期間が経つと親も諦めてしまうこともあります。また、80代の親が、自宅にひきこもる50代の子どもの生活を支え、経済的にも精神的にも行き詰まってしまうケースが増えていますね。国も体制作りなどに力を入れているので、私たちも解決に向けて取り組んでいかなければいけません。

加藤:
引きこもっている方は、就学中の何かがきっかけとなることが多いですが、社会に出てから小さな何かにつまずいて、引きこもるケースもあります。私たちから見ると、ほんの些細なことかもしれませんが、本人からすると重大な問題なのです。

さまざまな専門機関と連携し
問題解決を継続的にサポート

―社会福祉協議会では、具体的にどのようなサポートを行っているのでしょうか。

加藤:
ご相談に来ていただいた方の多くは、なんとか自分たちで解決しようと努力され、うまくいかず連絡をいただく場合がほとんどです。まずは、これまでの苦労や気持ちを聞くことからスタートします。引きこもりの問題は、お子さんだけの問題ではなく、家族的な部分や経済的な問題など、他の問題や課題が複合的に関係している場合もあるようです。全体を俯瞰で見て、当事者も自分たちのことを見つめ直すきっかけをつくります。

向井:
就職につまずいた時点で、ご相談いただければ就労支援で解決できるかもしれませんが、そこが5年10年経つと、就労自体が難しくなってきます。経済的にもかなり困難な状況になっている、病気に罹患している、放っておいたがために、事態がより深刻な状況になっているケースもあります。さらに、両親の意見、子どもの意見が異なっていることもあり…、まずはお互いの想いや考えを一つひとつ丁寧に紐といていきます。

加藤:
基本的に、社会福祉協議会だけで支援を終わらせないことを信条にしています。頼るところが複数あった方が心強いですし、自立しやすいですから。必ず専門機関を紹介するよう、職員同士で共有しています。

向井:
相談者の中には、長期間に渡って支援が必要な方もいます。社会福祉協議会は、さまざまな悩みに関する相談の窓口ではありますが、実際に相談者のもとに出向いて訪問するアウトリーチ的な業務は窓口に来られないひきこもり等以外では行っていません。今後、家族や当事者の同意が取れれば積極的に出向いて行きたいと考えています。必要があれば、保健師に相談し、引きこもりや精神的に不安な相談者には訪問診療してもらいます。私たちでワンストップの支援ができれば一番良いのかもしれませんが、現在は、専門機関と連携することで解決できるような仕組みづくりを目指しています。

―引きこもり問題は教育機関とも連携されているのでしょうか。

加藤:
現状、個々の学校など教育機関とは連携できていません。しかし、母子家庭や父子家庭の親御さんからの相談には、市役所の子育て支援課と連携し、協議する場を設けようとしているところです。先日もスクールソーシャルワーカーの方たちと、引きこもりに関する会議を行いました。しかし、子どもが引きこもっているが、母子家庭や父子家庭だから働かないといけない、相談に行く時間が取れない、相談する余裕がない場合もあります。悩みを持つ人が一人で抱え込んでしまわないように、あらゆる機関と連携を取りながら、見守り体制を構築していこうと検討しています。ただ、これは本人が希望し、相談に来なければ実現しません。本当に支援が必要な人ほど、一人で悩み、抱え込んでシャットダウンしてしまうことが多いようです。

向井:
小学校や中学校の子どもの場合は、学校が主体になりますので、情報交換はできるかもしれませんが、社会福祉協議会が率先して動くのは難しいのが現状ですね。

加藤:
引きこもりの相談件数自体はまだまだは少なく、私たちも手探り状態です。社会的に大きな問題にもなっていますので、研修の機会も増えてきました。しかし、まだうまく連携が取れておらず、せっかくご相談にきたのに、話しにくい話を何度もさせてしまう場合もあるようです。相談者に余計な労力をかけず、ストレスを感じさせないよう改善を目指している最中です。

倫理性と専門性を高めて
相談者にしっかり向き合いたい

―セミナーや相談会のような啓蒙活動もされているのでしょうか。

加藤:
地域の方や民生委員、自治会から声があれば、積極的に情報提供や出前講座を行っています。あらゆる情報を発信することで、地域の見守り役の民生委員が現場レベルで解決できるようになることもあるでしょうから。

向井:
家族会やご本人当事者様が参加できる「場所づくり」が必要だと感じています。今は引きこもりの方もスマホを使って情報を取得していますのでWEBサイトは、こういった役立つ情報も掲載していますよ」と周知することで、興味を持ち、行動するきっかけをつくっていけたらいいな、と考えています。

加藤:
私たちは、就労支援だけではなく、給付金や住まいの問題、貸付金のサポートも行っていて、適宜WEBサイトやチラシ、パンフレットで発信しています。住居確保給付金と特例貸付の制度など、さまざまな制度がコロナ禍で変更になっていますので、最新の情報はWEBサイトでご確認いただいたほうが良いかと思います。

―相談支援として1番大切にしているものはなんですか。

向井:
引きこもりの相談は、親御さんにとってはやはり勇気が必要で、かなりハードルが高いものです。だからこそ、感謝の気持ちを持って、「よく来ていただけました」と迎えることを意識しています。そして、より一層、私たちの倫理性や専門性、スキルをアップさせていかなければいけません。相談者の状況は人それぞれ。答えも十人十色です。本人が直接相談に来れば本人の意識が変わるようなアドバイスができますが、親御さんからのご相談の場合には、こちらが本人に伝えたいことが伝わらないこともあります。ですので、まずは相談に来た人に笑顔になってもらう、家族支援的な対応を心がけています。きっと家族が笑顔になれば、本人にもそれが伝わるのではないでしょうか。

加藤:
何もかも一人で考え込んでしまわずに、まずは相談に来てほしいです。お話しするだけですごくスッキリしますし、人に話せる力があるだけで問題は解決します。相談員たちにも「まずは相談者の方の話を聞くことに重点を置いてください」とアドバイスしています。こちらが制度の説明ばかりしていたら、本音を聞き出すことはできません。はじめのうちは表面的な話だけかもしれません。ですが、話しているうちに打ち解けることができ、最後に一番の困りごとや悩みを話してくれることもありますから。

―とにかく、思っていることをそのまま伝えてほしいということですね。

加藤:
そうですね。本人が問題と思っていることではない部分が問題の可能性もあります。ですが、それは話を聞かないと分かりません。お話していただいたら、私たちが話を整理してサポートについてお伝えします。話をするという行為自体が、自分の心の整理にもつながるので、中には自分自身で解決する方もいらっしゃいます。電話でもかまいません。相談するだけで事態は良い方向に向かうと伝えていきたいですね。

お問い合わせ

大分市社会福祉協議会

住所
大分市金池南1丁目5番1号 J:COMホルトホール大分4階
電話番号
097-547-8319
メールアドレス
seikon@oita-syakyo.jp
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